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ジョイント195

自分が思いついた文章を徒然なるままに書くブログです。二次創作系。がんばっていきます!
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夏の一日
どうも!二ヵ月ばかりさぼってました…。急に忙しくなってしまったもが原因です。そして定期的に更新しているサイトの管理人さんを素直に尊敬します。
それと…長めの話にする予定だったのですが息詰まりまくったため普通の短編にさせていただきました。ごめんなさい。こんなサイトのssですけど、良かったら見てやってください!
それと911さん。遅くなって申し訳ないのですが、名前変更いたしました!この場を借りて報告させていただきます。
それではssどうぞ!



『夏の一日』


灼熱――――。
そんな言葉が当てはまるような梅雨の晴れ間。良い感じに俺を不快にさせてくれる今日この頃。俺は学校へと続く長い坂道を歩いていた。いつもは疲れるだけで何とか済んでいるこの坂も暑さが加わって更にキツい。汗は滝のように出るし、ノドは渇くしでこの怒りの矛先をどこにぶつけようかなんてアホな考えを持ってしまうのも仕方のないことだろう。そういえばこの五、六月は晴れたら異常に暑くて雨の日は寒いなんていう砂漠みたいな天気だった。梅雨入り前から三十度。なあそろそろこの地球も限界なのかもしれないぜ。地球からのSOS。まあそんなもの感じたところで、俺たちに出来ることなんてたかが知れてるんだけどね。

「よう」

「ん」

教室に入って、俺は後ろの席のやつといつもの挨拶を交わす。

「今日も暑いな」

「分かりきったこと言うんじゃないわよ」

「社交辞令だよ。『そうね』なんて一言返してくれりゃ良いのに」

「社交辞令なんて必要ないじゃない。暑いもんは暑いんだからわざわざ口に出すことないでしょ」

それもそうか。
とはいえ、憎まれ口を叩きながらもハルヒは下敷きをうちわ代わりにして扇いでいる。いくらコイツでもやはり暑いもんは暑いようだ。

「あ~…。この教室にもクーラーが欲しいわね」

「県立に無茶を言うな。予算は限られてるんだぜ」

「その予算がどこに消えてんのか生徒にも公表して欲しいわよ。あたしが校長になったら、もっと有意
義に使うのにさ」

「まずはクーラーか?」

「そ。次に図書館に本を増やすわ」

ほう。こいつにしては中々殊勲なことを言う。だが人々活字離れ著しい現代においてこういったことは必要かもしれないから、見直した。

「宇宙人の研究論文とか――」

前言撤回。



ホームルームが終わって授業が始まったのだが、いかんせんもうテストが終わったこの時期だと、授業も消化試合みたいな感じになる。テストの答案を返されて、解説されて適当に終わる。中々の無意味だ。ちなみに俺はどれも平均点丁度くらい。これもハルヒ大先生のおかげなのか。そのハルヒは授業中寝てばかりなのに何故どれもこれも九十オーバーを叩き出すのだろうか。正に不公平。

「キョン。あんたまだ平均点くらい越えないの?良い加減そのくらい軽く越えなさいよ。直々にこのあたしが勉強教えてやったっていうのに」

こんなことを言われると感謝の言葉を言えやしない。人に感謝されない人間、ハルヒ。良いのか悪いのか。

「無茶は言うなよ。補習ならないだけマシってもんだろう」

「人間、向上心を持ちなさいよ。全く」

そんなことを言いながらも今日一発目のひまわりが咲いた。出来の悪い生徒が成長して嬉しいと言った感じなのだろうか。何はともあれこいつの笑顔を見るとなんだか安心する。だって人間、笑ってた方が良いに決まってるだろう?




昼休みに差し掛かった時、俺はいつものように谷口、国木田と飯を食おうと弁当を取り出した。そこで、ハルヒが珍しく教室に居るのに気が付いた。

「どうした?珍しいな」

俺の問いかけにもハルヒはしばらく無言だったが、急に真面目な顔で俺を見た。

「ねぇ。サボんない?」

そしていきなりそんなことを言い出したのである。本当に急なやつ。

「何でだ?」

「暇だから」

簡潔にして明瞭な答え。俺は今日もまたいつもの通り授業を受けて、いつも通り放課後部室に行って、そして一日が終わる――。なんて思っていた。そこをそれで終わらせないのがハルヒと言うべきか。ある意味流石だ。

「行くわよね?」

笑いながらそう言うハルヒ。顔にはもう「絶対行くでしょ?」と書いてあるのが見え見えだった。やれやれだ。
俺は弁当を再びカバンの中に戻した。ごめんな母さん。ハルヒはそれを見てあっという間に教室を出ていった。察しの良すぎるやつめ。

「谷口、国木田。後よろしく」

「えっ?」

「分かったよ」

弁当を持ってきた二人に俺はそう言って、カバンを持ってさっさと教室を後にする。どうせ午後も似たような授業だ。たまにはこんなのも悪くない。普通の何でもない一日にちょっとした刺激を与えるくらいはな。俺たちは繰り返す日常の中に、ちょっとの刺激を与えながら毎日を楽しもうとしているんだから。俺の場合それだけじゃ済まないってこともあるがね。



「着いたー!」

「着いたな…」

俺たちが来たのは海。理由は『夏なら海!』というハルヒの超短絡的思考から。学校から帰って水着を取りに行って、ハルヒを駅まで送迎してから電車で数十分。太陽はサンサンと照り人手はそこそこ。あの孤島のようにプライベートビーチというわけにはいかないが、そんなに悪いもんじゃない。

「何よ。テンション低いわね」

「お前が駅まで全力疾走させたせいだろうが…」

「男の当然でしょ」

今は男女平等の時代だ。と言いかけて止めた。喋っていても始まらない。「へいへい」とだけ返して、俺は持参したビニールシートを適当なところへ設置した。

「珍しい気が利くじゃない」

「珍しくは余計だ。着替えようぜ」

「ん」

着替えをバッグに詰め込んで、シートの重石代わりにしておく。ハルヒの水着姿は久々に見る。それに何も感じない程枯れちゃいないが、別にそこまで変な思いを抱くこともない。ただ周りの男共からの羨望の視線くらいは感じる。うっとうしい。

「さあキョン!行くわよ!」

「あいよ」

連れられて海へ飛び込む。気持ち良い。この時は夏の日差しもじめじめとした湿気も全てを忘れられる。海の水の冷たさが肌に浸透して、俺を癒す。

「ふう」

顔を上げて空気を吸う。いつも吸っている空気ですら味が違うように錯覚を起こす。田舎じゃないこの海岸の空気なんかうまいはずないのに、それでもだ。

「えぃっ!」

「うお!」

もろに顔面に水をぶっかけられた。その犯人は一人しかいない。

「なにぼ~っとしてんのよ!」

「けの野郎…うりゃ!」

俺のささやかな反撃。

「うわ!良い度胸してるじゃないの!キョン!」

はしゃぐ俺たち。小さなガキの頃に戻った気分だった。だけど俺たちはまだまだ子供。こんな風に時々小さなガキみたくなろうが、構いやしないのさ。



「疲れた…」

「ホントにだらしないわね」

太陽が傾いて、昼と夜との境界線くらいの時間まで、俺たちははしゃいでいた。これだけはしゃげた自分が不思議だ。

「お前と違って俺の体力は無尽蔵じゃないんだよ。それにまだ左頬が痛い」

「そ…それはあんたが悪いわ」

何があったかというと、途中ものすごく大胆な水着を着た女の子がいた。それに目がいった俺の左頬にハルヒの右手がとんできたというわけだ。グーじゃなかったのがまだ幸いだったかもしれない。

「大体、目の前に居る相手を放っとくのが悪いのよ。エロキョン」

「一理はあるけどな。だが、まあだったらお前もあんな水着来てみりゃ…」

「グーで殴られたいの?」

「…悪かった」

言葉の途中でハルヒの怒気を含んだ声を聞いた俺は、それ以上言うのを止めた。セクハラ入ってたから無理もないからな。もちろん冗談。
その後、ハルヒも俺も笑いあった。これが俺たちのコミュニケーションの取り方なのかもしれない。尻に敷かれてるような気がしないでもないけど。
それから水着も乾いていたからそのまま服を着て、帰り支度を始めてすぐに、俺とハルヒは少なくなるどころか多くなっていく人出に気付いた。今から泳ぐというわけではなさそうだ。

「なんだ?」

「知らないわ」

仕方ない。俺はすぐそばに居た、中年夫婦に尋ねてみた。

「すいません」

「うん?何かな?」

声からして優しい感じのダンナさんが答えてくれた。

「今日はここで何かあるんですか?」

「ああ。何でも近くの大学の花火を研究しているサークルがあって、その人たちが作った花火を打ち上げるみたいだ」

「プロには劣るけどね。でも折角だし、一生懸命宣伝してたから見に来てみたの」

奥さんが続けた。
通りで人が増えてきたわけだ。夏休みには早いこの時期だからこそ、そのサークルのような素人集団でも打ち上げられるのだろう。俺は夫婦に礼を言って、ハルヒにそのまま伝えた。

「運が良いわね。折角だから見ていきましょ」

「だな」

ここで思ったのだが、このタイミングの良さは出来過ぎてやしないだろうか。多分、俺の今目の前に居るやつのおかげだろう。大学のサークルとは違和感の無い程度にまとまったもんだ。
視線に並んで腰かける。拳一つ分のスペースくらいは空けておく。

「いつから上がるのかしら?」

「さぁな。もう少しかかるんじゃないか?」

「じれったいわね。さっさとやれば良いのよ。大学のサークルじゃあ素人に過ぎないんだから大した出
来じゃないんだし」

「そう言うなよ。向こうだって本気でやってるんだろうからな」

「ふぅん…。ま、見てやろうじゃないの」

なんてバカ話を数十分して陽も落ちた頃、場の空気が変わった。分かるだろう。打ち上がる瞬間の空気の変化。何だかそわそわしてドキドキするあの感じ。それが今ある。
ドォーン!
打ち上がる場所から少し離れているのか、音と花火が咲くタイミングが同時。
花火が上がった。

「うわぁ…。キレイじゃない!」

先程までの憎まれ口はどこへやら。ハルヒは目を輝かせて空を見ている。だけど、俺も素直に同じことを思った。偶然に出会した、花火大会の始まりを告げる最初の一発は純粋にキレイだ。
二発目、三発目が次々に上がる。意識は段々と空へ集中していった。花火は不思議だ。ただ夏の夜を彩って俺たちをセンチメンタルな気持ちにさせてくれるのだから。ただ、それを見ているだけでさ。



何発上がったか分からなくなって、一瞬間が空く。多分フィナーレへの溜めだろう。俺は一つ、息を吐いた。そして隣のハルヒを見てみる。ハルヒと目が合う。ハルヒも俺を見ていた。

「どうした?」

「アンタこそ」

そう言われても意味は無い。俺が見たのは何となくだ。何となくしたことに意味付けは出来ない。

「何となくだ」

「あたしだってそうよ」

考えたことは一緒とでも言うわこか。いつの間にか、俺たちの間にあった拳一つ分の距離は消えていた。肩が触れ合っている。そしてどちらともなく、手を重ねた。俺の手が下にハルヒが上に。指と指を絡めて。
その時に「ドォーン!」という大きな音と共に、今日一番の大きな花火が高々と上がった。周りから上がる歓声をどこか遠くに聞きながら、俺たちの絡んだ手は力を増す。そのまま空を見上げたからハルヒの表情までは読み取れなかったけれど、俺と同じ表情なのだろう。こうすることが自然に感じられることが不思議だという表情。
そして俺は、このまま時が止まれば良いなんてらしくないことも考えた。けれど、本当に時が止められるならこんなことは思いはしない。時が止められないと知っているからこそ、そんなことを願ってしまって、いつか終わってしまうと知っているからこそ、この時間が何よりも大切に思える。
なあ、この世の不思議ってこんなところにあるんじゃないかな。俺たちの知らない自分自身の感情の中に。そこをみんな理解しようと頑張って、誰も理解なんか出来てないのだから。


花火が終わって、しばらく俺たちはそのままの状態だったが、お互い何を言うこともなく立ち上がって帰り支度を始めた。それからまたいつもの俺たちに戻っていった。
二人とも目に見えない何かってやつを感じとっていたから。

「それにしても、プロじゃないからって甘く見るもんじゃないわね。油断してたわ。合格点を上げるわよ」

「いつも偉そうだなお前は」

「なによ。評価するのは見ている側にあるんだから別に良いの」

「まあそう言えばそうだがな」

背中にハルヒの声を聞きながら自転車を漕いでいく。ハルヒの家が一漕ぎごとに近づいていくのは分かっていた。自転車の一漕ぎってどれぐらいの距離を進んでいるんだろか。

「まあ今日はツイてたな」

「そうね。たまにはこんなこともあるわ。これもアンタを誘ったあたしのおかげね。感謝しなさいよ」

「へいへい」

会話を交わしながらいつの間にか、ハルヒの家の前まで来ていた。気付いていたけれど、お互い、もうすぐそこだなんて言わなかった。何でもないようで実は特別なこの一日というのを、もっと感じていたかったのだ。日常の中で少し違った形の一日。たまにしか許されることはないこの一日。それがもうすぐ終わる。
俺は家の前に自転車を停めて、ハルヒを降ろした。

「…」

先程までの元気はどこかへ。ハルヒは黙りこくっていた。俺の方に背を向けて歩き出せないでいる。

「ハルヒ」

俺の呼びかけにもハルヒは無反応だった。

「また今度も行こうぜ。一緒にさ」

その一言で、ようやくハルヒは振り向いた。そして表情は笑顔だ。

「今度はアンタが誘いなさいよ」

「分かってる」

こんな偉そうな言葉で妙な安心感を持ってしまう俺はどうかしている。だけど、それがいつも通りのハルヒで良いじゃないかとも思う。そう。だから俺たちはこれで良い。

「またな。おやすみ」

「おやすみ。キョン」



俺たちの関係なんか周りから見れば宙ぶらりんだ。付き合っているわけでもないし、お互い告白もしていない。だけどさ、無理にそういう風になる必要もないって何となく感じるものがあるのさ。明日からはまたいつも通りの日常に戻る。でも確かに俺たちの中にある気持ちを感じていれば、宙ぶらりんでもなんでも良いんだ。
なあ今はみんな「恋に恋する」なんて思ってる奴等も多いよな。それもそれで良いと思う。だけど、そのために自分を安売りしたり、無理に自分を作ったり、そんなことをしてしまって良いのかな。それだって一つの道かもしれないけど、目に見えない何かを感じ取れる相手を探そうと頑張ってみる方が先だと思うんだ。
それが見付かれば、あんたの中で一番輝いたものになるのは間違いない。自分自身をもっと大切にして、俺たちは進んでいった方が良いのさ。自分も相手も大切にしてこそ、そこに恋する意味があるんだから。


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thame:涼宮ハルヒss genre:小説・文学
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Comment

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なんか距離感といい雰囲気といい最高です!
お互いの気持ちがしっかりわかっているのに闇雲に進もうとせず地に足をつけようと努力しているキョンに好感が持てました。
いつもいい話をありがとうございます。
お忙しそうですが、お体にはお気をつけて。
更新があるなら何ヶ月でも待ってます!

#リンクの名称変更ありがとうございました。お手数おかけしました。
2008/07/24 Thu| URL | 911 [ edit ]
コメント返し
毎度ありがとうございます!
遅れてしまって申し訳ないです…。
今回もいつものつながってる二人ってイメージで書きました。花火大会とか、普通に行きたい…。
忙しいのんをなるべく言い訳にしないようにやっていきます。どうもありがとうございました!
2008/08/03 Sun| URL | koko428 [ edit ]
誤字脱字。

ほんと幻滅
2008/11/08 Sat| URL | p [ edit ]
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| 2012/11/22 Thu |
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