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ジョイント195

自分が思いついた文章を徒然なるままに書くブログです。二次創作系。がんばっていきます!
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過去から現在(色々あって今はこんな感じ)
どうも!しばらくほっといてすいません。ここのところハケンのバイトと軽いスランプでした。
コメントのお返事も遅くなりましたが、書いておきました。遅くなってしまってすいません。
さて!今回は前回の続き。…ひょっとしたら、一番出来が微妙かもしれない…自分的に!ですが見る人はどう受け入れてくれるのかは分かりませんので公開させていただきます!まあ書いてて楽しかったです(笑)
どうぞ!





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朝起きると違和感があった。魚の小骨が喉に引っ掛かったような小さな、しかし気になって仕方がない違和感。それがなんだかはよく分からない。昨日はハルヒに尋問されて大変だった。もし厄介事だとしたら勘弁してもらいたい。というか厄介事は現在進行形で俺の身に振りかかっているワケなのだが。そんな感じでこの一日は始まった。正確には三日間最初の日の始まりだった――――。

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佐々木のライバル宣言はマジで驚いたが、本人が満足してるので構わないと思った。だがそれをまさかハルヒに伝えるとは思っていなかった。

「涼宮さん。悪いけどあなたも頑張らないと、彼を奪わせてもらうわ」

「…そう。そういうこと。良いわ。かかってきなさい!負けるつもりはないから」

負けるつもりもないも、俺はすでにハルヒを完全無欠に好きなワケで、今さら佐々木になびく可能性は皆無であり、佐々木もその辺は分かっているのだが、そこは佐々木の願いを聞き入れると決めた手前無下にはしない。
とまあその辺はハルヒも一応納得してくれて(かなり怒られたが)今に至るということだ。マジに言うと、かなり俺はヒドい奴だと自分で思ったりもするが、二人が心の底では理解してくれてありがたいとも思っている。
とまあそんなことを考えつつ、同時に違和感を感じつつ、学校へ向かったわけだ―――。

「おはようキョン。というわけで僕も本気にならしてもらったよ」

「いやだからって世界をいじるな」

後ろの席に佐々木が居てそんなことを朝一番に言ってきたのであった。ていうか軽々しく世界を変えるんじゃありません。

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―――佐々木の説明によると、

「ああキョン。安心してくれて良いよ。この世界は三日間限定だから。自動的に君は元の世界の元の時間に戻るようになっている。長門さんや、九曜さん、それに古泉君たちも協力してくれてね。今に至るというワケさ」

…言うことはないな。あいつら段々ノリが変な方向に進んでる気がする。

「まあSOS団メンバーはここには居ないけど。大丈夫だよ。危害はないからね。これはある種、『夢』のようなものだと思ってくれて良い。これは僕らと涼宮さん達の立場を入れ替えた場合の世界だ。いや僕にもチャンスの一つくらい欲しくてね。後悔はいけないことだけれど、前に進むためにやりたいことをやってみるのも、人間の素直な欲求の一つだろう?だから君をここへ連れてきたのさ」

概要と理由は聞いた。要するにここで、お前と過ごせってわけだな。

「そういうことさ。キョン。理解が早くて助かるよ」

やれやれ――と心の中で言う。佐々木は本気を出すから覚悟しておけと言っていたがここまでとは。世界をいじられる覚悟は流石に無かった。
ま、何にしても今さらジタバタする気はさらさらないので、ここを素直に受け入れるとしよう。

「あ、ちなみに放課後みんなで集まるから。SOS団改だね」

「やっぱそうなのか…」

朝の会話はそこで終了し、岡部が入ってきてホームルームとなった。

放課後である。授業中で特筆することはあまりない…と思う。佐々木がやけにかいがいしく俺の面倒を見ようとしていたが。

『キョン。授業に付いていけているかい?』

『キョン。僕のノートを見ると良い。要点はしっかり絞ってあるから見やすいはずだよ』

こんな感じ。更に昼に俺の弁当を作ってきたのはマジで驚いた。そしてクラスメイト達の視線がどこか生暖かいものだったのはデジャブを感じざるを得なかった。あれは付き合う前のハルヒと俺を見るような目で…。つまりは佐々木と俺はここでそんな感じだというのを理解するには十分だったということだ。
佐々木――恐ろしい子。
なんてアホなこと、今はどうでも良く、俺は佐々木と部室に向かっていた。

「やっぱりあのメンバーなのか?」

「やっぱりあのメンバーだよ」

メンバーを一人一人思う――橘、周防、藤原。…なんか上手くやってける自信がない。というかみんな余り好きじゃないんだか。

「みんなは今回のこと知っているのか?」

「もちろんだよ。しっかり説明したさ。朝に言ったろう?周防さんや橘さんにも協力してもらったと」

「…そういやそうだったな」

二人しか名前が出ないということは藤原は反対だったのだろうか。アイツの場合だったら『ふん。どうでも良いさ』とか言いそうだ。
そんでもって部室に到着。扉を開けさせてもらう。

「あ、キョンさん」

「…ふん」

「―――――久し―――ぶりね」

とまあ個性的なメンバーがいた。予想は出来ていたワケだが聞くと見るとじゃ実際の感じ方が違う。

「じゃ。お茶淹れますね。佐々木さんの分とあなたの分」

「頼むよ」

ここでは橘がお茶係らしい。いくら未来関係とはいえ藤原がやるわけないか。というか藤原の淹れたお茶は…ぶっちゃけ飲みたくない。そんな俺の視線に気付いたのか、

「なんだ?」

藤原が言う。俺は今思ったことと違うことを口に出す。

「いや…まさかお前までこれに協力するとは思っていなかっただけだ」

「ふん。僕はどっちでも良かっただけだ。お前や彼女がどうなろうと知らない」

とまあやっぱりヒネた答えが返ってきた。

「どうぞ」

「ああ」

そんな中、橘がお茶を持ってきた。俺はいつもの位置と変わらない席に座る。藤原は俺の向かい――古泉の位置。他のメンバーはそれぞれ橘=朝比奈さん、周防=長門、そして佐々木=ハルヒという感じらしい。属性も、藤原と橘以外はそれぞれに合った場所にいるみたいだ。

「キョンさん。彼、本当はノリノリなんですよ」

俺の隣に居た橘が言う。藤原がこの計画に実はノリノリらしい。
…ってそれ、

「マジか?」

聞き返す。そんな雰囲気は藤原から微塵も感じられない。

「な…何を」

おお。初めて藤原が動揺するのを見た。

「そうなんです。彼、実は少女漫画が好きで…この前私が貸したのが三角関係をテーマにしたやつなんですよ。今回も似てるでしょ?だから彼、生でそんなのが見れるって影で喜んで…」

「で、デタラメを言うな!確かに…本は借りたが、それはこの時代の文化を…」

「あら。そうなんですか。なら返してもらおうかな~」

「…ぐっ…。いや待て、まだあれの解釈が済んでいない。もう少しじっくり読む必要がある…」

「いやもう認めろよお前」

「ですよね~」

「ちっ…違うと言っているだろう!あれはこの時代の文化を知る手掛かりのようなものであってだな…」

なんて小学生の言い訳のようなものを語る藤原。人の新たな一面を見た。意外と少女趣味藤原。そして未来人は往々にしていじられ役であるようだ。
未来人の不思議がここに。
にしても三角関係ね…。周りから見るとそんな風に見えてしまうのか。
橘と藤原が言い争っているのを尻目に、俺は九曜を見た。

「は…?」

思わず声が出てしまったのも、無理がないと思ってくれ。九曜はこの部屋に入った時にはかけていなかったメガネをして本を読んでいた。何を狙ってやっているのだろうか。よく分からない。

「…何してんだ九曜?」

「―――――メガネ無口――――属性?」

いや何故に疑問系。要するに長門のマネでもしたかったということなのだろうか。

「――――…そう――――」

「いやわざわざ長門のマネしないで良いから」

マジで不思議少女Aだ。何を考えているかサッパリ分からない。スペックだけは長門と同等くらいのものがあることは、こんな世界を作った時点で分かったのだが。九曜は黙々と本を読みつつ、同時に俺に視線を送っている。なんだろうか。

「――――メガネ――――は?」

…あれね。

「…無い方が可愛いと思うぞ」

少し投げやりに言ったのだが、周防はそれで満足したらしくメガネを静かに取って――消した。そこまでせんでもとは思ったが、面倒くさかったので言わずに九曜の行動をスルーした。今さらこんなことにいちいち突っ込んんでいたら体力がもたない。
佐々木の方に目を向けると、パソコンをいじっている。こいつもハルヒのマネなのかと一瞬思ったが佐々木はすぐにその作業を中断して、俺の顔を見た。自然、目が合う形だ。

「キョン。ちょっとこれを見てくれないか」

「どれだ?」

佐々木のすぐ隣に立ち、指差されたディスプレイを見る。そこにあったのは――コスプレ衣装?

「いや。九曜さんに似合うんじゃないかと思ってね」

――ゴスロリ系。端的に言うとそんな感じだ。九曜を見る。こっちを見ている。

「――――見たい――――?」

自分が着たところを見たいかということだろうか。主語は無かったが言いたいことは分かった。しかしゴスロリ系ね…似合いそうだ。

「まぁ見たいかな」

正直に答えた。別にそっち系のヤバい趣味は無い。…本当だぞ?ただ九曜の目を見てるとどうも着たがっているような気がして、そう言っただけだ。…単に似合いそうという理由もあるけどな。

「あなたは――――――――」

「うん?」

「けっこう――――変態――――?」

…けっこう深く傷付いた。

「くっくっくっ…。キョン。君の趣味をとやかく言うつもりは無いが、犯罪者になるのだけはよしてくれよ」

「お前なぁ…」

犯罪者ってな。そうなった日には我が恋人が拘置所まで押し掛けてきて、問答無用で俺をぶっ飛ばそうとするだろうよ。それを止めようとする警官をぶっ飛ばし、騒ぎはでかくなる一方だ。正に負の連鎖。それでも俺が見捨てられる可能性は低いと言えるが。

「最も僕ならその時、君が刑務所暮らしで弱り切ってからみんなの力を借りて君を釈放させ、僕に借りを作らせて君を僕のものにするけどね」

「お前それはキャラ変わり過ぎだろ」

「自身の欲求に素直になってみた結果さ。君も人のことは言えないと思うけどね。今の君は言うなれば『ハルヒバカ』とでも言えるか。すぐに涼宮さんのことを考える癖が付いているだろう?」

「…否定出来ないな。むしろ肯定しよう」

「くっくっくっ」

佐々木楽しげに笑っていた。
そんな時、橘は藤原との言い合いに決着が付いたらしくボードゲームをやらないかと誘ってきた。機関系の奴等は皆その手のゲームが好きなのだろうか。ここにも一つ不思議が。橘が勧めてきたのは人生ゲームだった。今さら説明をいらないだろう。

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

「くっくっくっ…。藤原君。また借金だね」

「おい待て!こっちは闇金のも合わせて利息だけでも辛いんだぞ!なのに何でここまで…」

今ブッチギリで最下位を走っているのは藤原だ。…哀れにすら思えてきた。古泉に合い通ずるものがある。
というか闇金ってのがリアル過ぎる。夢も希望も失くすワード、ナンバーワンだ。

「――――宝くじ―――当たった」

嬉しそうな顔の九曜。長門より分かりやすい奴だな。だが優しい笑顔という言葉が当てはまらない程邪悪な笑顔だ。悪代官のような。全くと言って良いほど微笑ましい気持ちになれない。

「あは!ルーレット大当たりです!」

橘は古泉と違いこの手のゲームには強いようだ。

「ああ。古泉君と一回やりましたけど彼弱すぎでした。ぶっちゃけ藤原君とタメ線張ってますね。どっちが弱いか試してみたいです。面白いから」

…さりげなく酷いことを言っている。というか一応敵対組織なのに人生ゲームなんかやってて良いのだろうか。しかもタイマンでやるわけがないから複数でやったのだろう。まあみんな仲良しが一番だから、突っ込むこともないが。
一方、俺と佐々木はどっこいどっこいだ。特にドラマチックなこともなく、お互い平平凡凡な人生を歩んでいる。平和だ。

「キョン。このままでは面白くない。一つ勝負をしないか?」

「勝負?」

「カジノへね」

佐々木はそう言ってルーレットを回し、五の目を出した。そしてカジノの入口へ到達する。

「まあ良いがな」

俺もそれに習い、カジノの入口へコマを進めた。いざ勝負―――。

結論から言うとカジノでは勝ったり負けたりでブラマイゼロというところだった。佐々木は、なんと最後の最後でルーレットを外し、少の損益を出していた。それでも少しずつ取り戻し、結局はブービー。順位は一位が九曜、二位に橘、三位が俺、四位佐々木、五位(ブッチギリ)藤原。
罰ゲームなどは無いらしく、人生ゲームが終わった時点で良い時間となり解散した。
俺は自動的に佐々木と帰ることとなり、二人で下校している。

「キョン。今日についての君の感想を聞かせてくれないか?」

二人乗りした自転車の後ろから、佐々木が口を開いた。俺はありのままを話すことにする。

「…面白かったさ。あいつらの違う一面も見れたしな。橘や、九曜や、藤原。みんなと少し交友が深められた気めする」

「そうか。それは良かった」

佐々木も意外にあいつらと楽しくやれていそうだった。みんな中々個性的だったのには少々驚いたが。今度、俺たちと遊んでみるのも面白いかもしれない。

「可能性の世界でも面白いことはあるのさ」

「そうだな」

同意する。何にしてもあと二日。深く考える必要はあまり無いだろう。三日目には必ず何か佐々木がアクションを起こすだろうが、それまではとりあえずこのままで構わない。

「明日は九曜さんのコスプレお披露目会だからね」

「マジでやるのか」

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

翌日の放課後。部室の外に俺と藤原は居た。予告通り九曜のコスプレお披露目会が行われており、部室ではそのお着替え中だ。

「それにしても…だ」

「ん?」

「アンタが居るから、彼女も楽しそうな顔をするようになったな」

「…」

藤原が言った。やはり観察者。よく佐々木のことを見ているらしい。楽しそうな顔――ね。

「普段の佐々木は?」

「前までは少し暗かった。だがアンタに正直になってからは楽しそうではある。そんなところだ。そういう意味で今回のことに関して僕は良かったと考えている。彼女自身が計画したことだからな。人間いろいろな楽しみ方があるが、こんな楽しみ方もありだろう。大体アンタは巻き込まれるわけだがな」

「分かってるさ」

俺が決めたことだから分かっている。佐々木のやることはちょっとネジが外れちまった感があるのは否めないが、正直になった結果に過ぎない。なら俺は親友として巻き込まれるだけだ。他人から見れば無茶苦茶かもしれないが、俺たちが決めたんだからそれで良いのさ。…まあ後々俺が苦労することになるがそこは佐々木がどうするか次第だ。

「まあ僕としては巻き込まれてせいぜい苦労してくれとしか言えないね。それがアンタの…」

「規定事項か?」

「…」

セリフを遮ってその先を言う。藤原は少し悔しそうな顔をして俺からそっぽを向いた。

「悪かったよ」

「ふん…。まあせいぜい苦労すると良い。恋人とぎくしゃくしないようにな」

藤原は少し拗ねたらしい。嫌味を言う。だがコイツという人間が分かってきた以上、その嫌味の感じ方は前と遥かに違う。余裕で受け入れられるレベルになっている。

「その辺は大丈夫だ」

「何故そう言い切れる?」

「俺とハルヒは繋がってるからな」

バカ正直に思ったことをそのまま言った。自身満々な俺の態度に藤原は少し驚いた顔見せ、笑った。

「ふん。アンタもバカな男だな」

「こんな時はバカぐらいが丁度良いんだよ」

会話を交わしながら、俺も意外にここのみんなと仲良くやってけるんじゃないかと感じていた。確信に変わるにはまだ足りないが、それでも元の世界で交流なんか重ねれば、変わっていくだろう。
そんな時にガチャっと音がして扉が開かれる。

「どうぞ!」

橘の明るい声が聞こえてきた。俺と藤原はお言葉に甘え部室へと入っていく。
そこには――――

「くっくっくっ。どうだい?」

―――不適に笑う佐々木の隣にどこからどう見ても完璧なゴスロリ少女がいたのであった。長めの黒髪と、幼い体型がマッチし過ぎている。だが、頼むから邪悪に微笑まないで欲しい。可愛いとか言えない。外見とギャップがありすぎて恐い。

「――――似合って――――る?」

その邪悪な微笑みを止めてくれればな――口には出さなかった。

「その邪悪な微笑みを止めればな」

…藤原のバカ野郎が。

「あら。そんなことばっかり言うとこの前古本屋であなたが買った本―――」

「待て!止めろ!それだけは止めろ!」

んでもって藤原はまた橘にしてやられている。学習能力が無いか、ただ単に自分の役割っぽいので諦めているか、五分五分だ。俺は改めて九曜を見る。相変わらずの邪悪笑顔だが、一応それも味が出ているということで、

「似合ってる」

と言っておいた。長門にもいつかやってもらいたい。何でも良いから朝比奈さんみたいなコスプレを。きっと何でも似合うだろう。ゴスロリ系も悪くないかもしれない。ハルヒも――多分似合う。というかアイツは何を着ても似合うだろう。ただ他の奴等には死んでも見せる気はないがな。

「キョン。顔がだらしないよ。君はやはりいつか犯罪者になるんじゃないか?」

…マジ顔で言うな佐々木。
そして昨日に引き続き、今日も皆でゲームをしたのだった。ちなみに橘が取り出したのは麻雀だった。…何故とかは言わない。五人なので俺と藤原がペアとなり、藤原の運の悪さに引きずられる格好で俺たちはダントツビリだった。なんかここまでツキが無いと哀れだ。

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

二日目をそんな感じでこなし、明日はいよいよ最終日である。例によって佐々木と下校。

「さて。キョン。明日は最後日だ。僕はどういう行動に出ると思うかな?」

「分からん。だが何かしらやらかすのは分かる」

佐々木の問いに答える。実際、何かしらやるというのは予想が付くが、それ以外はサッパリだ。まあ明日になれば自ずと分かるしわざわざ詮索することはあるまい。

「くっくっくっ。そうか。まあまた明日だね」

佐々木をバス停まで送っていき、俺は家路に付いた。明日は三日目。いよいよ最終日だ。

三日目。朝教室に入って座ると、後ろの席に佐々木がいる。そんな光景にも今は慣れた。気分的には旅行に来ているような気持ちだ。非日常の中の非日常にも、慣れればどうってことはなく、帰る時にもう終わりかと思う。そんな気持ち。別にこっちの世界が良いとか、早く帰りたいとかそういうわけではない。ただ少し面白い体験をして、それが終わるのを受け入れるだけの話しだ。簡単なこと。だから特別な思いは無かった。
あっという間に放課後となり佐々木と部室に向かい、扉を開ける。今日はまだ誰も来ていなかった。もしくは、来ないだけか。

「みんなには席を外してもらったよ」

「そうか」

もう少しあいつらとココで交流するのもありだと思ってはいたが、佐々木は今何かしたいことがあるのだろう。そしてそれを聞き入れてくれるあいつら。本当に良い奴等だと思う。佐々木は大事にされているみたいだ。安心した。

「三日間…付き合ってくれてありがたかったよ。キョン」

「なに、別に大したことじゃないさ」

別に大したことではないのはマジだ。こんな平和な世界改変なら構わない。だが佐々木は多分これ以上このようなことはしないだろう。それくらいは分かる。

「満足出来たか?」

「満足だよ。僕は幸せだと思う。彼らが居て、たまたまこういったことが出来る立場にある。他人には出来ないことがね。素晴らしいことさ」

他人には確かに出来ない。けれど佐々木なら出来る。それは例えば誰かに得意なスポーツがあって、それを楽しめるくらい上手くこなせるのと同じレベルのことだ。出来ることと出来ないこと。スケールの違いこそあるがそれと大して変わらないと俺は考える。自分が出来る位置にいるからそれをする。単純な話しだ。

「今回マジで思ったがみんな良い奴等だな」

「そうだね。本当に良い人たちさ」

穏やかな顔でそう言う佐々木。暗かったと藤原は言っていた。もうそんなもの欠片も感じられない。佐々木は佐々木でしたいことをしている。自分に正直に。そしてそれは俺やハルヒを巻き込んでいる。分かっている。だけど俺やハルヒだって楽しんでいるフシがある。公認の三角関係もどき。アホみたいだが、当人達が構わないと思っているんだからどうしようもない。少女漫画とはまた一味違った感じだ。

「キョン。この三日間で君の気持は少しでも僕になびいてくれたかい?」

「すまないが全くだな」

あえてハッキリ言わしてもらう。本当に全くなびかなかったのだから仕方がない。代わりに、他の連中とは分かりあえた気がするが。

「くっくっくっ。容赦がないね」

「お前も分かっているだろうからな。いちいちオブラートに包む必要がないのさ」

「君の気持が全く変化がないというのは少し残念だ。けっこう君に尽くしたつもりだったのにね」

佐々木はそう言いつつも楽しそうな顔だ。変な気分。自分のことを好きな女の子に全くなびく気はないと言ったのに、お互いそれで良くなっちまってるのが変。そして変だと言いつつ受け入れている俺たちも変。でもま、それで良いのさ。くどいようだが、ハルヒも含めてそんなのを楽しんでいるんだから。そして佐々木は言った

「さてキョン。今回の締めはね――抱き締めてくれ。友情の証として。それがこの世界を終わらせるカギさ」

少し抵抗があった。だがそれで止まるなら良い。友情の証として抱き締めるならな。友情の証としてのキスは無理だが。ギリギリのライン。佐々木が俺の胸に体を預ける。俺はそれを抱き締めた――――。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

翌日。三日前の日付になっていた。影響はないようだ。俺はいつもの通り学校へ向かう。そいでもって教室の扉を開けると―――

「おはようキョン」

ハルヒが扉の真ん前に笑顔で立っていた。そう―――あの時のような笑顔で。これは前回の…。

「こんな写真があたしの携帯に送られてきたんだけど、何か言うことは?」

ハルヒが見せてきたそれは、佐々木と俺が抱き合うシーン――――。何でお前が?というか誰が?などという疑問も今は彼方。ハルヒ怒り心頭。マジヤバい。

「それは…あの友情の証として…」

「アンタがこんなに満足そうな顔してんのに?」

「佐々木のために…」

「ふ~ん…佐々木さんのために抱き合うんだ。女の人の体を触っちゃうわけね」

…なんだか以前より拗ねた感じだ。どっちかというと怒りモードより拗ねモードか。なんていうかやっぱそんなハルヒも可愛かったり。そう感じた俺は、自身の行動を決めた。

「え~とな、ハルヒ」

「…なによ?」

「拗ねた顔も可愛い」

「…褒め言葉かどうか微妙よ」

「ギュッとしたい」

「ここは?」

「学校の教室」

「他人の目は?」

「関係なし」

「…ごまかされないから」

「ごまかしじゃないさ」

俺の本心からの行動だからな――――。
朝の教室がちょっとした騒ぎになったのはまあ、いつもの事だ。ハルヒの機嫌が直るならなんでもするさ。俺は『ハルヒバカ』だしな。
変な三角関係みたいで、そうじゃないような俺たち。佐々木の気持がいつ満足するかは不明だが、ま、なるようになるしかないのさ。一種の開き直りだ。朝一番にハルヒの温かさを感じられたことを幸せに感じつつ、俺はそう思った。

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

「…おい!もうちょっと近くにセット出来なかったのか!」

「いや無理ですって。これ以上近くだったらどちらかに勘づかれますよ」

「くっ…せっかく隠し撮りして画像を送りつけて…。この教室に仕掛けた未来の超ハイテクミニ
監視カメラで奴等の行動を見ようとしたのに、音声はもっと近くにまでいあじゃないと詳しく聞き取れな――――」

「あっ!」

「なんだ!?どうした!?あっ!…やはり奴等は…ふん。僕のある意味理想通りだ。痴話喧嘩を重ねながらのあのバカぶり…。ふふふ…」

(…流石キョンさん。あの人涼宮さんのことになるとネジ飛びすぎです…)

「さて…満足した…。――――!!」

「どうしたんですか?っ―――!!」

「くっくっくっ。藤原君。君は何をしてるのかな。隠し撮りとか不穏な単語が聞こえたんだけども。僕の気のせいかな?」

「…いや。きっと気のせいだ。…間違いない」

「そうか。ならば良いんだ。けれども今日の僕は何故だか機嫌が悪くてね、藤原君のいろいろな秘密を昇降口の掲示板に張り付けたりしちゃったんだよ。いや人間というものは気分が悪いと何をしでかすか分からないものだね」

「―――まさか!なんということを!くっ!こうなったら、時間移動申請!」

「あっ!…行っちゃいましたね…」

「そうだね。で、橘さん?」

(…私の逃げる術…ない。…ということは?!)

「面白がっていたあなたも同罪ということね♪」

「いやごめんなさい!佐々木さん!藤原さんに乗せられて、なんか面白そうだったから同調しちゃったとか、キョンさんならどんな行動とるかな~とか、出来心なんです!謝りますから!謝りますから~!!…………………」




あとがき

見直して思ったんですけど…ちょっと後半が失速気味でした…。もうちょい勢いのあるものを書きたかった…。精進します!
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thame:涼宮ハルヒss genre:小説・文学
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