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ジョイント195

自分が思いついた文章を徒然なるままに書くブログです。二次創作系。がんばっていきます!
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バレンタイン・デイ
というわけで!早速書いたもんupさせてもらいます!ハルキョンssバレンタインデイ。ケータイで一日で書いたやつなんで、ちょっと変なところたかあるかもしれないですけどとりあえず大目に見ていただけるとありがたいですね。本当に!オリキャラっぽいのでますけど物語に必要なんでだしたまでなんで、オリキャラ好きじゃない人でも大丈夫!・・・なはずです。ごめんなさい。それでは、どうぞ!


「今日はバレンタインデイですね~」
なんて朝一からテレビの女子アナが言っていた。それで今日という日を思い出した。
「そういや今日だったな…」
そう今日は二月十四日。お菓子会社の陰謀により作られた、人によっては鬱になったり狂気乱舞したりするドラマが生まれる日である――――。

現在時刻は朝の七時十五分。俺にとってはなかなか早い時間帯に目が覚めたものだと、自分を誉めてやりたい。
そして朝飯を食いながらなんとなく見ていたテレビ。
始めは日本国内の景気やら、国際情勢がどうやらと真面目な顔でコメンテーター達が語りあっていたのだが、それが一息付いていきなりスタジオから都内の某駅ビルのお菓子売り場に切り替わって、美人と評判の女子アナが良い笑顔で先程のセリフを吐いた。
ギャップが有りすぎて笑うに笑えない。一貫性が無さすぎるのはどうかと思う。
「まぁ…あまり関係無いけどな」
実際そうだ。俺には必ず本命をくれるような彼女さんなんか居ないし、ましてや必ずもらえることが約束されているほどモテるわけでもない。ハッキリ言えばどうでも良い。…多分。
そう考えると負け組のような気がするのでやっぱり期待しておくことにしよう。誰か俺にチョコくれないか。
…一瞬そう思って死にたくなった。
とはいえ朝比奈さんは多分くれるだろう。長門は…分からん。
そしてあの団長様は…考えるだけ無駄だ。止めよう。うん。
「あ!キョンくんおはよ~!」
朝から幼さ全開、元気一杯といった感じで食卓へ付く我が妹。本当にこれで小学五年生なのだろうか。将来が不安だ。だが昨今の小学生がムダに大人っぽくなっていることを考えると、これで良いのかもしれない。
「それじゃね~。はい!キョン君!」
「うん?」
渡されたのはまあまあキレイにラッピングされた包み。どうやら妹は俺にチョコをくれるらしい。
「チョコレート!今日バレンタインだもん!おめでと~!」
…何がおめでとうなのかは聞かない。そういえば俺がいつも通り部屋に行く前、母親と妹がキッチンで何やらやっていたのを思い出した。今思うとあれは一緒に手作りチョコを作っていたというわけだ。
それ見て今日のことを忘れていた俺って…。止めよう。折角こいつなりに頑張ってくれたのだ。ありがたく受け取ろう。
「ああ。ありがとうな」
そう言って受け取ってから頭を撫でてやると、えへへと笑って嬉しそうに妹は笑っていた。
やっぱり妹はしばらくこのままでも良い気がした。

朝のイベントを終え、着替えを済まして、いつも通りの時間に家を出る。早く起きたのにわざわざそうしたのはなんとなくだ。理由は無い。
そうやって殺人坂を登っている時だった。
「お!キョン君おはよ~!!」
ハイテンションガールニ連続。ただ質の違いは半端じゃないが。
俺の背中をバシーンと元気よく叩きながら挨拶してきたその人は鶴屋さん。朝比奈さんと同じクラスの先輩だ。いつもハイテンション。
俺は足を止めて(というより止められた感がある)鶴屋さんの方を振り向く。
「おはようございます。鶴屋さん」
「うん!おはっよー!!いやぁ朝の挨拶はその日一日を元気に過ごすための基本だからしっかりやらないとねぇ!あっはっは!」
朝からここまで元気な人を俺は他に知らない。いや一人居るか。ムラが激しいが。
「キョン君!今日はバレンタインだねぇ。チョコをもらえるアテはありそうかい?」
なかなか痛いところを付いてきてくれる。俺は思ったままを口にすることにした。
「そうですね…。あの慈深い朝比奈さんが多分同情してくれるんじゃないかと思いますよ。それから…あ、後は男子みんなにチョコをくれそうな女子とか居そうですから。…そのくらいですか」
自分で言って思った。そういえばそんな女子がクラスに一人か二人は居た気がする。コンスタントにみんなと仲の良い奴。俺だってクラスメイトとはそこそこの付き合いはあるので俺だけくれないということは無いように思う。
「そっか!そっか!…でもねキョン君の予想は多分外れちゃうと思うよ!」
「え?」
笑顔で俺の考えをやんわりと否定する鶴屋さん。どうやら冗談じゃないっぽい。
どういうことだろうか。俺はそんなに女子に嫌われているのだろうか。
「ああ!別に嫌われてるとかそんなんじゃないっさ!多分、みくるも、クラスの女の子も鶴にゃんと同じ気持ちじゃないかな~ってね!」
ますます分からない。というかその理論でいくと朝比奈さんすら俺にくれないことになる。…なんだろう。本気で凹む。
「あ!本当は私だってキョン君にはお世話になってるし、渡して上げたいんだよ?その辺は分かってね!」
「すいません。よく分かりません」
本当に分からなかった。鶴屋さんや朝比奈さん、クラスメイトの女子の気持ち?
…少し考えて、さっぱり分からないので止めた。
「あっはっは!知らぬは当人ばかりなりってね!キョン君はもう少し女の子の気持ち分かるようになった方が良いかもね!じゃまたっね~!」
そうして鶴屋さんは俺に壮大な謎を与え、走り去って行った。
一体どういうことなんだろうか。再びしばらく思考の海に潜り込んでしまう。
「ってやべぇ!」
それから何分か経ってしまったのだろう周りを見渡してみると誰も居ない。携帯電話のサブディスプレイの時間を見てみる。
八時四十分―――。
歩いて行くことに決めた。

ホームルームを丸々すっぽかして教室に入る。丁度、岡部に会うと面倒なことになる気がしたのでホームルームと一時間目の授業の間の休み時間を狙って教室に入る。
ちなみに一応下駄箱を確認してしまったが当然のごとく何も無かった。
「おぉキョン!」
「おはようキョン」
声をかけて来たのは谷口と国木田。谷口は相変わらずのアホ面、国木田は爽やかな笑顔で俺に挨拶。
「キョン見てくれよ。これ!」
そうやって谷口が見せ付けて来たのは、申しわけ程度にラッピングされた包みが二つ。どうやら無事に戦利品をゲット出来たようだ。もらえなかったら多分暴れて面倒なことになるので良かったと思う。グッジョブだ誰かは知らないけど。
「へへ~大山と増渕にもらえたぜ!いや~義理だとしても嬉しいね~」
本当に嬉しそうだ。たかがチョコ二つ。されどチョコ二つということだろうか。
「僕も二人からもらえたよ。多分キョンも次の休み時間辺りにもらえるんじゃないかな?」
国木田はもうバックに入れたのか、わざわざ見せ付けるようなことはしなかった。
この辺に二人の性格がよく表れていると思う。
「そうか。ありがとうよ」
そう言ってから朝の鶴屋さんとのやり取りが蘇る。
鶴屋さん理論でいくと俺は二人からももらえないことになってしまうのだが…。どうなんだろう。
「ん?」
そう考えてからふと視線に気付いた。その正体はハルヒだ。自分の席に座りながら、今にも人を殺せそうな目で俺をみていた。
何なんだろう?
俺は二人から視線をハルヒに移して、自分の席に移動しようとした時、
キーンコーンカーンコーン――――。
「はい席着いて!」
一時間目開始のチャイムと共に入ってきたのは数学教師。口うるさいと評判の奴だった。
「やべ!じゃあキョン!またな!」
「キョンももう席着いた方が良いよ?面倒なことになるから」
俺たちは教師の方を見ながら言葉を交わしてそれぞれの席に散る。
俺も席に着こうと自分の席の方を見てみるが、ハルヒはもう机に突っ伏して寝る体勢に入っていた。あの視線は一体何だったんだろうか。釈然としない俺だったがとりあえずは授業を受けようと、大人しく席に着いた。

授業中、当然のごとくやる気の無い俺は授業の半分くらいでノートを取ることを諦めて、何度も眠くなった。だが寝てしまうと次の休み時間も寝過ごして、結局あのハルヒの視線の真意が分からず終いになってしまうので気合いで起きていた。
何より不機嫌そうな表情だったのが気にかかる。意味もなく世界が滅亡するのは勘弁して欲しい。
それに俺の無駄な好奇心もあるし。
それだけだ。
そしてようやく一時間目は終了した。机の上を片付けて、身体を横向きにして後ろを向く。
ハルヒは相変わらずの体勢だった。寝ているのだろうか。
「ハルヒ」
名前を読んでみるが返事は無かった。起きている感じはする。勘だけど。
「お~い。ハルヒ?」
二度目も顔を上げなかった。
「ハルヒ~」
無視。
完全無欠に無視。
微妙にバカとかアホとか聞こえてくるのは分かったので、とりあえず寝てはいないらしい。
けれど強行手段に出ようものなら、間違いなく不機嫌八割ましくらいになるので、仕方なくそっとしておくことにした。
そして周りを見渡してみると大山と増渕が男子みんなにチョコを渡して回っているのが目に入った。あんな感じで時期に俺にも来るだろう。
隣の佐伯は居ない。他のクラスにでも行っているようだ。
まあ隣の席だからってくらいで期待するのは失礼というものだろう。
そんな感じでぼ~っとしているとふと気付く。
「あれ?」
思わず口に出してしまうほどの事態。
というより明らかにおかしかった。俺とハルヒが座っている窓側の後ろ二席、加えて、俺の前、斜め前の隣、さらにその隣、右斜め後ろ、その隣…。つまり俺たちの席の周りに全く人が居ない。もちろん今は休み時間だからどこかに行っているというのも分かる。
けれど何かおかしかった。
クラスメイト達は、まるでそれらの端の席が境界線とばかりに誰も寄って来ないのだ。
完全に隔離されているようだった。
「なんだ…」
試しに席を立って、谷口の席まで行ってみる。
谷口は席に座りながら、立っている女子達と談笑していた。
だが。
「谷口」
「あ…」
そうやって谷口に声をかけた俺の姿を見た女子達は、動揺した顔をして俺から逃げるように居なくなってしまった。
「え…?」
動揺は隠しきれない。今の俺の顔は谷口に匹敵するアホ面だろう。
「おいおいキョンよぅ。俺の優雅な一時を邪魔するなよ」
「ああ…」
谷口の抗議の声を聞きながら、頭はだいぶ混乱していた。
「俺…何かしたか?」
「俺が知るはずないだろ?…お前…女子に嫌われることでもしたんじゃないか?」
認めたくないことをハッキリ言ってくれた谷口。
とりあえず、チョークスリーパーを喰らわしておいた。
そして自分の席に座る。相変わらず、周りには誰も居ない。
理由は全く心当たりがないけれど…俺はやっぱり女子に嫌われているらしい。
これ以上無いくらい凹みながら二時間目のチャイムを聞いた。

それから授業はふて寝して過ごした。だが休み時間ごとに何故か目が覚める。
三時間目の前も四時間目の前も、全て同じ状態。
いたたまれなくなって、国木田の席に行ったりもしたのだが、女子の取る行動は皆一緒。国木田に聞いてみても分からないと答えられただけ。
そして気付けば昼休み。やっといつもの通り、国木田と谷口が俺の席に来ようとしているのを横目で見た。授業の時以外でここに人が来ようとしているのは今日初めてだった。俺は机に突っ伏したまま動けない。ダメージがでか過ぎた。まさか避けられるほど嫌われていたなんて思いもよらなかったからだ。
そんな事実に直面したくなかった。どうやら今日という日は人生最悪の日になりそうだ。俺はこれからどう生きていけば良いのだろう。というより悪いところがあればハッキリ言って欲しいものだ。どうすれば良いかサッパリ分からない。
「お~い。キョン。生きてるか~?」
「大丈夫?」
俺は起き上がる気力すら沸かず、手だけ軽く上げて答える。しばらくは飯も食えない気がする。いつもなら腹を減らしているだろう時間帯なのに。
「キョン。起き上がれって!大丈夫だ!お前には…ってあれ?」
「あの…キョン君ちょっと良い?」
谷口が何かを言いかけた時、それを遮るようにして女子の声がした。
窓の方向に向けていた顔をそちらに移す。大山だった。
女子を代表して俺に「みんなキョン君のこと大っ嫌いなの!」とでも言いに来たのだろうか。一応身体を起き上がらせて、窓枠に背中を預けて、話しを聞く体勢は整える。
「…なんだ?」
さあ来るなら来てくれ。さっさと楽になりたいんだ。
「あのね、涼宮さんが居ないから言えるんだけど…」
そこで大山は一端言葉を切って俺の後ろの席に視線を移した。
確かにハルヒは居なかった。
学食に行っているらしい。そういえばふて寝してしまっていたので、あれからハルヒがどうしていたか分からない。ずっとあのままだったのだろうか。
というかハルヒと何の関係があるのんだろう。
「えっとね…その…別にみんなキョン君のこと嫌ってるわけじゃないから安心して欲しいんだけど…無理?」
「それなら良いんだが…」
うん。それ、無理。
口では強がって心で思いっきり叫んだ。
ハッキリ言ってくれないで、同情してフォローしてくれる方が余計凹む。
「それでね…あの…チョコはやっぱり上げられないんだけど、理由は絶対説明するから!だから、その…気にしないで。お願い!」
自分の目の前に手を合わせて「お願い」のポーズをする大山。
どうやら本気らしい。気が付けばクラスの女子がほとんどみんな俺を見て、「信じて」と目で言っていた。
…流石にここで信じられないほど人間不信にはなっちゃいない。少し楽に、いやかなり楽になった。単純だな。俺。
「分かったよ…。でも別に説明とかは良い。俺は女心が分かってないらしいからな。自分で気付く。だからせめて明日は避けるのは勘弁してくれ。マジで凹む」
とりあえず、嫌われていないことが分かったので満足だ。それに女子には女子の考えがあるらしいからその辺は突っ込まない。謝ってくれているんだから、それ以上は聞く必要はないし、説明させるのは逆に申し訳ない。
俺がそう言うと大山や他の女子はほっとしたような顔を見せた。
「ありがとう!さすが!」
何がさすがなのかは分からないがこれで一応は解決した。
けれど、疑問は残ったが。
ハルヒが何故関係しているかが分からない。少し考え込んでしまう。
けれどもう聞かない。自分で気付くって言ってしまったし。
「でもさ、キョン君…分からないの?」
「ん?理由は分からん。でも聞かないでおく。自分で気付くって言ったばかりだしな」
「やっぱり流石よ…」
大山は呆れたような顔をして俺の席から離れていった。他の女子たちもまた同様の表情を見せている。女という生き物は同じものを見て、同じ感想を受けるらしい。

そして昼休み終了の鐘と同時にハルヒは帰ってきた。相変わらず顔は不機嫌のまま。
教室に入って来たと同時に机に突っ伏す。
どうやら今日はずっとこんな感じだったらしい。
一応授業まで少しあるので話しかけてみる。
「ハルヒ。どうしたんだ?今日なんか変だぞ」
「…」
無視。
「なんかあったのか?」
「…」
無視。とりあえず今日あったことを話してみるのも悪くないと思い、さっき大山が言っていたことを話してみることにした。
「…まあ良い。ハルヒ。今日な、何故か俺は女子に避けられ―――」
ポコっと俺が話そうとした瞬間に何かが頭に当たった。消しゴムの切れはしのようだ。
飛んできた方向を見てみると、佐伯だった。首をものすごい勢いで横に振り撒くって居る。言っちゃダメということなのか。何故だろう。周りを見渡しても、みんな同じジェスチャー。
…この話題に触れるのを止めた。
「…やっぱり何でも無い。オヤスミ」
ネタがなくなってしまったのでこれ以上話すのを諦めた。授業開始のチャイムが鳴る。眠気は無かったので二時間くらいは真面目に受けようと決めて、前に向き直った。

二時間は集中出来たからかあっという間に過ぎていき、放課後。団活である。だというのにハルヒは相変わらずだった。
「おい。ハルヒ?先に部室行ってるぞ?」
「…勝手に行きなさいよ」
久々に声を聞いた気がする。顔はしっかり見れたわけではないが。一歩前進というところか。
掃除の邪魔にならなきゃ良いが。
「…何があったのかはしらんが、ちゃんと来いよ?お前あってのSOS団なんだから」
いつもの俺っぽくないセリフ。けれど、いつものダウナーハルヒとは何かが違う気がして思わず口から出た。らしくない。ハルヒは黙ったままだった。
俺は教室を出て、部室へ向かう。
その道すがら、今日の鶴屋さんの言っていたことは大当たりだったと実感した。
誰も俺に渡そうとしないチョコ。社交辞令的に渡していた女子すらくれなかった。女心となんの関係がある?疑問に思っても答えなんか出てきやしない。
そうこうしている内に部室到着。しっかりノック。コンコン。
「はぁ~い」
甘いボイスが俺の耳に入ってきた。幸福だ。どうやら朝比奈さんはもう来てるようだ。一番乗りだと思っていたのに、二年生は何か特別に授業短縮でもあったのか。
「こんにちは。早いですね」
「ええ。今日私のクラス、先生が出張でホームルームが無かったんです」
納得。
「それで、キョン君。何か心配ごとでもあるんですか?」
「え?」
急に何を言い出すんだろうか。このお方は。俺を気遣ってくれているようなのはありがたいが、いきなりだったので驚く。
「すごく何か心配そうな顔してますよ!何かあったの?」
「そんな顔してます?」
「十人に聞いたらみんなそう答えちゃいますよ!あ…そういえば涼宮さんは?」
ハルヒ―――。
俺はハルヒの今日一日の様子を朝比奈さんに説明した。朝のことから今まで。
俺が女子に避けられまくったことは言ってない。この場合は関係ない。それにくどいようだが自分で考えると言ってしまったのだからその辺でこの人に判断を仰ぐのはダメだろう。
「ということは…キョン君。涼宮さんからチョコもらって無いの?」
「はい?」
謎のワードが飛び出した。ハルヒからチョコ?全く考えていなかったことの一つだ。
「それで…そっか。…そうだったんだ…」
真剣な顔で何かを呟いている朝比奈さん。
何を言っているから理解出来ないが、どうやら色々知っているようだ。
「キョン君。涼宮さんが心配ならもっと素直に気遣って上げなきゃダメです!」
…確かに心配だった。朝からほとんど話してないし、いつもと違うし。だからせめて団活は来るだろうと待つことにした。分かりにくいかもしれないが、俺なりの気の使い方をしたつもりだった。
「それにね、こんな日に遅刻なんかしちゃダメです!」
そういえば俺が遅刻した辺りからハルヒはああなった。
つまり俺のせいということだ。アイツが朝何をしたかったのかは分からない。けど朝比奈さんが言ったことから考えられるのは、俺にチョコを渡したかったのだろうか。それでタイミングを見失って、不機嫌になった。それが結論なのかもしれない。
…そういえば俺は午前中ずっと寝ていた。それも拍車をかけてしまった可能性がある。
「…とりあえず、教室戻ります」
「うん。とりあえず、無視されてもしっかり謝らなきゃダメですよ?」
「了解です」
俺は部室を後にして教室へ引き返す。
歩くつもりだったのに、身体が勝手に走り出していた。しかも全速力。
ガラッ―――。
教室のドアを開ける。掃除は終わっていて、皆それぞれ思い思いの場所に散っていったようだ。ただ一人を除いて。
ふぅ―――
軽く息を整えて、今も机に突っ伏したままのハルヒへ近づいていく。
「ハルヒ」
「遅過ぎるわよ…バカキョン」
「すまん…」
ハルヒの言葉に対して、何を言っても言い訳になりそうでそれしか言えなかった。ただこの期に及んでも、ハルヒがここまで落ち込んでいる理由は分からなかった。不機嫌ならまだ分かるが、今のハルヒからは落ち込んでいるような感じを受ける。
分かってやれないのが悔しかった。
それから軽い沈黙が続いてから
「…ホントはアンタが悪くないって分かってるのよ」
静かにハルヒは語り出した。俺はそれを黙って聞く。
「アタシの勝手なのも分かってるの。朝アンタに義理チョコ渡して、それで終わりな振りをして…放課後、本命渡してアタシの気持ち言おうって。昨日決意したの」
「えっ…?」
本命?気持ち?
心臓の音が一気にはね上がる。
ドクン、ドクンと早鐘を打つ。
「こんなの精神病だと思ってたのにね。自分でも情けないわよ。…でも気付いちゃったものは仕方ないじゃない?だから認めることにしたのよ」
そう言ってハルヒは顔を上げた。今日初めてまともに顔が見れた。嬉しかった。―――何で嬉しいんだ?自分の心の中を探す。引っかかって出てこない。
もどかしい。
ハルヒの顔は妙にスッキリしていた。
「結局、そんな計画失敗しちゃってイライラしてたのよ。…どうすれば良いか、分かんなかったし。…でもね、よくよく考えてアンタの顔見たらもうどうでも良くなったわ。ホントにあたしらしくない」
ハルヒは一端言葉を切って続けた。
「あたしは…心配してくれただけでも十分だったみたい。それだけさ…その…アタシは…」
珍しく言いづらそうにしているハルヒ。俺は、ただつっ立っていられなくなった。
心の中から答えを探し出す。簡単だった。難しく考える必要なんかなかった。自分の気持ちはすぐそこにあった。こんな状況でやっと気付く自分が情けなく、それでも気付けて良かったと思う。
俺はハルヒを抱き締めた。
「わ…ちょっと!まだ言ってないし…あんたの気持ちも、あたしは分からないわよ…」
不安げな声。無理もない。俺だってその一言聞くまでは安心出来ない。こんな行動に出ておきながら、実は不安で一杯なんだ。
「今日は女の子から言ってくれる日なんだろ?」
それでもこんな言葉が出るのは、これからその一言を言ってくれるという確信があるからなのだろう。ならちょっとした悪ふざけもありかもしれない。ハルヒはちょっとムッとした顔をしてから俺の顔を見る。身長差のせいで俺を見上げる形だ。
「じゃあ…言うわよ」
「ああ」
「あたしはね…キョンが…」
「好きだハルヒ」
――――成功。ハルヒは唖然とした顔になって、すぐにぶすくれた表情になる。
「なっ…んでアンタが先に言うのよぉ!このバカキョン!」
腕の中で子供みたいに暴れるハルヒ。ああもう駄目だ。それすら可愛い。俺の胸辺りをぽかぽか殴っても全然痛くない。愛しくてたまらない。
「じゃあハルヒの番な」
「…もう知らないもん」
もんとか言うな。反則だ。
「聞きたいな」
「…もう絶対変なこと言わないでよ。言ったら嫌いになるからね!」
「分かってる」
お互い見つめあう。俺は静かにその言葉を待つ。
「あたしも…キョンが…大好き!大好きだからね!あたしの勝ちだから!」
ああもう何でキレイに終わらせないかな。コイツは。でも…らしいな。ハルヒらしい。
「ほう。負けてられないな俺も。なら…行動で示させてもらおう」
「何?―――っ!」
今まで食べたどのチョコより甘かった。

さて、それから俺たちは部室に行って今日あったことを皆に早速報告することにした。古泉はいつものにやけ面を三割増しにして「おめでとうございます」と一言。長門も微妙に嬉しそうな顔をして「おめでとう」と言ってくれた。
そして今回一番世話になった朝比奈さん。
「やっぱりですね」
なんて何もかも分かったような感じだった。なんとなくやっぱり年上だと痛感させられる。それから、俺が結局最後まで分からなかった女子に避けられまくっていたことについてこう言った。
「女の子はね、本命が絶対確定している男の子にはあげないんです」
…ということは周りから見ると俺たちはそんな感じだったということなのだろうか。
まあ今となってはどうでも良い。
そして後で聞いた話しだが、クラスメイトの女子は俺たちがじれったくて仕方なかったので早くくっつけようとあんな行動を取ったという面もあるそうだ。後純粋に俺にチョコを渡した場合、ハルヒに睨まれるのは避けたかったそう。
…確かにやきもち焼きなところがあるみたいだしな。…多分俺もだが。仮にハルヒが古泉にチョコを渡していたら、それで嫉妬していたと思う。
そうそう。肝心のハルヒのチョコだがちゃんと二つとも食べた。あの日の帰りに、俺の部屋で。義理用のは最初に、本命のはその後に。どちらもめちゃくちゃ旨かった。幸せってこういうことだと実感出来る味とは正にあれだったと言える。
そしてその後の俺たちだが――――。
「キョン~♪」
状況を軽く説明させて頂くと、現在地は学校。昼休み。教室。
そして俺の席。何故か膝にはハルヒ。そう何故かハルヒ。甘えた声を出すハルヒ。
「キョン!アンタこれ好きでしょ?食べなさい!あたしの手作りだから!残したら死刑なんだから♪」
そうやって箸で掴んだ玉子焼きを俺の口まで持ってくる。俺の膝の上で器用に体を横向きにして。
ちなみに最近はほぼ毎日ハルヒの手作り弁当だ。
それにしても残したら死刑か。あり得ない。残すわけないからだ。クラスメイト達もここまで俺たちがいちゃつくことになるとは予想してなかったらしく、昼休み、誰かしら毎回顔を真っ赤にしてこっちを見ている奴がいる。見てる方が恥ずかしくなるというやつだ。やってる俺たちはそうでもない。というかなくなった。バカップルとでもなんとでも呼べば良いさ。お互い素直じゃなかったからその分こうなったんだよ。そして一生いちゃつきは飽きないだろうな。
「ん…。やっぱ旨いな。」
玉子焼きは甘かった。
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thame:涼宮ハルヒss genre:小説・文学
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