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ジョイント195

自分が思いついた文章を徒然なるままに書くブログです。二次創作系。がんばっていきます!
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強さと弱さ
どうも!ハルキョンupです!特に何も考えずに書いたんですが、前作「お昼寝」の続きっぽくなりました!ハルヒ視点です。
ちょっとハルヒが弱気になっちゃう話。「ちょっと良い話」みたいなのを目指しましたが…どうなんだろう…。なにはともあれどうぞお読みください!明日か明後日、こういうのとは違ったちょっと長めの完全明るい話upします!



いつしかこの曇った気持ちも晴れる。そう信じてあたしは高校に入るまで生きてきた。みんなはつまらないことをして、つまらないことを話して、つまらないことを夢みてた。
あたしには出来なかった。
あの日、あの球場で。全てが変わった。自分が小さく見えて、無力に思えて、悔しくなって。
けれどこんな自分じゃ何も出来なくて。
あれからずっと、そんなことを考えて生きてきた。
あたしはあたしという証が欲しかった。
あたしは確かにここに居て、どんなことをして、どんな風に過ごしているのか。
だから探した。不思議なことを。他人になんと言われようが気にならなかった。あたしはあたしだから。
こうなったあたしだってあたしだから。
周りの人はあたしが理解出来ないと言っていた。そんなものどうでも良かった。
…でも、心の底では誰かに認められたかったのかもしれない。
今のあたしを。何かを残そうと必死なあたしを。
そんな時だった。アイツに出会ったのは。
あたしを認めてくれる初めての人に出会ったのは――――。


「ん…」

夢。昔の夢を見ていた。ずっと一人だった頃の夢。
そして――――今隣で寝ているアホ面のやつに出会った夢。

「すー…」

安心しきった顔で、アホ面で寝ている隣の男。あたしが出会った男。

「全く…バカみたいな顔」

そう呟いたあたしの顔は多分笑顔だ。
自然な微笑み。コイツ以外には多分出来ない。こんな自分の柔らかな表情は。

「てりゃ」

ぷにぷにとほっぺをつつく。

「ん…………。すー…………」

ちょっとだけ反応して、結局また寝ている。だらけ切った表情で。

「もう」

起きないキョン。だけど寝顔を眺められるのもあたしだけの特権だと思う。
いつもちょっとひねくれた顔をしてるから、こういう子供みたいな顔はなんか可愛い。
あたしは――――やっぱりコイツが好き。
自分の気持ちにお互いなかなか素直になれなくて。でもきっとどこかで繋がりあってたんだと思う。
日はとっくに沈んでいるようだ。夕飯時かもしれない。
だけどなかなかキョンが起きない。

「ん…あ…」

そう思っていたら、寝惚けた声を出して起きたみたいだ。

「…」

「おはよ」

「あ…おはよう…」

「今何時だ?」

「時間は…ちょっと待って。あ。もう六時ね。ご飯は?」

「…当番は俺だったか?」

「そういえば、今週の日曜はアンタね」

「…今からでも良いか?」

「良いわ」

「分かった」

キョンはのそのそと立ち上がってキッチンに向かった。多分今日も簡単なものをパパっと作るんだろう。
それもおいしいから構わないんだけども。
キッチンで、キョンは料理を始めた。
今日は何になるかな。

「今日は何作るの?」

「…オムライスでどうだ?」

「分かったわ」

やっぱり簡単なもの。しばらくして、キョンは作業を始めた。匂いも良い。
そんな姿を、あたしは見ている。
今日一日のキョンを少しでも心に焼き付けておきたくて。
夢のせいもあるかもしれない。なんだかキョンから目が離せなくなる。
すぐに食事は出来上がった。テーブルについて、二人で一緒に「いただきます。」
食べている途中、何故か夢のことを話したくなった。

「昔の夢見たの」

「どんなだ?SOS団の?」

「それより前のあたしの夢」

「そうか…」

「うん」

高校より昔の話しはあまりしない。あたしがしようとしなかった。何かに「自分」を伝えたくて必死だったあたし。苦しんでいたあたし。

「夢見、悪かったな」

「そうみたい」

キョンはその一言だけ言って、スプーンでオムライスを食べる作業を続けた。あたしもそれに習う。その後、夕食の会話は他のことに切り替えられた。


夕食後、ふいにキョンがあたしに言った。

「少しドライブに行かないか?」

「明日は?」

「あんまり早くない」

「あたしもね」

「問題無しだな。行くぞ」

あたしを助手席に乗せて、車をキョンは走らせる。

「どこ行くのよ?」

「内緒だ」

あたしが聞いてもキョンは教えてくれなかった。けれど方角からいってどこへ向かっているかは分かった。
生まれ育った街。そこへ向かっている。
着いた場所は北校。あたしとキョンの始まりの場所。わざわざ坂道の下にキョンは車を止めた。

「歩こうぜ」

そう言ってキョンとあたしは手を繋いで歩く。何回登ったかなんて覚えちゃいない坂道を。
歩く途中、あたし達は無言だった。街灯と、月明かりがあたし達を静かに照らしている。歩き続けて少し経って、夜の学校に侵入する。目的地は学校の中のようだった。
一年五組。二人一緒にそこへ入る。

「久しぶりだな」

「久しぶりね」

キョンが座ったのは窓際の後ろから二番目。あたしが座ったのはそのすぐ後ろ。
高校時代、ずっとこの席順だった。あたしがそうあって欲しいとずっと思っていた。
だからそれが叶い続けてくれて良かった。
今ならそう思う。

「ここが俺たちの定位置だったな」

「そうね…」

キョンが言う。あたしは頷いた。キョンは前を向いたままだった。そのまましばらく二人で何をするでもなく、座っていた。
あたし達の定位置で。
その内にキョンが口を開く。

「…中学で、お前が何をしていたか俺は知らない。話しで聞くだけだからな。お前から聞いてその場面を想像するくらいしか出来ないけど…」

「…うん」

「だけどな、俺には分かる。中学の時、お前がどれだけ必死に『自分』を伝えようとしてたか。どれだけ必死に頑張ってたか。手探りで、ずっと一人で何かを見つけたくて頑張ってたか」

「…うん」

キョンの言葉。一つ一つがあたしの胸にキョンの想いをくれる。

「だから、俺にとってはたとえ見たことがなくても、そのハルヒもハルヒなんだ。高校に入ってからしか知らなくてもな。ハルヒはずっと頑張って、そして高校で俺たちと出会って楽しめた。それはお前がずっと諦めなかったからなんだ。『自分』は『自分』だって。不思議なことを探し続けて奔走して。最初は認められなくてもそれでも頑張って」

「…」

言葉を返せなかった。胸が一杯になる。

「俺は…その『ハルヒ』が好きだ。全て、何もかもが好きだ。自分で全てを掴んだハルヒが好きで仕方がない。そんなハルヒの隣に居られて、幸せだと思ってる。過去にやったことは変えられないけど、それを経て、お前はお前になった。それで良いんだ」

あたしを認めてくれた人は、いつしかあたしの全てを受け止めてくれる人になっていた。どんなあたしも『あたし』だと。そう心から言ってくれていた。

「…アンタは…あたしのこと何でも分かっちゃうのね」

「分かりたいと思ってるからな」

さも当然とばかりに答えるキョン。あたしはそんなキョンの背中に頭を付けた。
広い背中。やる時はやるやつ。いざという時必ずあたしの隣に居てくれる人。それがキョン。
だからもうコイツ無しでは生きていけないだろう。それが弱さ。
でも、コイツが居れば何だって出来るだろう。それが強さ。
だからあたしはずっとキョンと一緒にいたい。弱いあたしも強いあたしも全てが『あたし』だと言ってくれるキョンと共に。
闇の中で手探りだったあたしの手を引いてくれたキョンと共に。
もう二度と、あんな夢を気に止めたりしないだろう。今がここにあるから。
キョンとしか作れなかった『今』があるから。
前だけ見て、進んでいこう。ずっと今までそうしていたように。
ずっとキョンとそうしてきたように――――。

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thame:涼宮ハルヒss genre:小説・文学
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Comment

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前も思ったんですが、ハルヒ視点すごくいいです!
ハルヒの気持ちがすごく伝わってきてじーんときました。
キョンの幸せ者め(あえてここでキョン、と言う)。
2008/03/05 Wed| URL | 911 [ edit ]
コメント返し
コメントありがとうございます!
本当ですか!?ハルヒは多分理解されないながらもずっと頑張ってたと思うんですよね…。自分の勝手な解釈もありますけど(笑)
2008/03/06 Thu| URL | koko428 [ edit ]
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