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ジョイント195

自分が思いついた文章を徒然なるままに書くブログです。二次創作系。がんばっていきます!
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想い
続いてハルキョンssの方をupします!今回のは…ちょいシリアス目。加えて意味がわからない方もいるかもしれませんが…本当にあまり考えすぎずお読みください。毎度すいません!
秒速5センチメートルを見て、山崎まさよしさんのあの名曲を聴いていたら浮かんだssです。曲の再現とかは全然なくて、ちょっと伝わりづらい部分もあるかもしれませんが、どうかお読みください。後以前の「悪い夢」に少し似ていますが、別物です!
自分なりに頑張って書いたつもりです。悲しいお話ではないんで…。それではどうぞ!





過去の自分をもう一度やり直したい。誰もが考えた事があるはずだ。
過去の自分を責め、悔やみ、憎み。
そんな事を考え無かった人間はいないだろう。長い人生を生きていく中で、人間一度はそう思う。そこから動けずにいれば何も変わりはしない。分かっていても動けない。心の矛盾。がんじがらめの自分。だから俺はもがいた。そこから一歩でも抜け出すために。――出来なかった。あの時に気付けなかった俺の心。今だから気付けた俺の心。二つの心が俺を責め続ける。あの時の俺を。今の俺を。今の気持ちで過去に戻れたならば、どんなに幸福なことだろう。もし過去を一から変えることが出来たら、幸せになれたはずの自分がいる。
うつろいゆく季節、過ぎ去っていく時間。その中で俺は俺に気付いていった。気付くのが遅かった。


六年。俺が高校を卒業してから、俺がこの町を出ていってから過ぎた時間。俺が本当に大切なものに気付くまでかかった時間。長過ぎた時間。

「変わってないな…」

生まれ育った故郷の匂い。それはここで生まれた者にしか分からないだろう。特別な匂いだ。六年間。自分の中の何かを埋めたくて必死になった。その何かが分からないというのに、必死だった。大学で死ぬほど勉強をした。腐るほど本を読んだ。
社会人。入社一年目から死に物狂いで仕事をした。成績は新卒で飛び抜けていた。
たくさんの人たちが俺を凄いと言っていた。何でそこまで出来るんだと言っていた。エリートコース一直線だと言っていた。
――何一つ、俺の心のに響きはしなかった。俺が欲しいものはそんなものじゃなかった。

「ぶらつくか…」

一人呟いて、変わらない街並みを一つ一つ眺めていく。駅前の広場。みんなで待ち合わせをよくしていた場所だった。俺が何分前に来ようと関係なく、みんなは先に来ていた。そして俺が必ず奢らされた。アイツがいつも『遅い!罰金!』そう言って。

「本当に何分前から居たんだろうな…。あいつら」

公園。長門や朝比奈さんとの待ち合わせでよく使われた場所。その度にいろいろなことに巻き込まれた。俺の思考回路じゃ理解出来ない宇宙の話。何度も時を越えた経験。大抵がアイツ絡みだった。

「本当に信じられん事ばかりだったな…」

母校。北校。ここへ来る人間に嫌がらせをするため、こんなところに建てたんだと思うくらいの坂道。長ったるい坂道。時々みんなと一緒に帰ったりした。その度にアイツは子供みたいにはしゃいでいた。何度か、アイツと二人きりで帰ったりもした。

「そう言えば、ストーブ持って登ったりもしたよな…」

そして――ここ。屋上の踊り場。全てが始まった場所。アイツが強引に俺を引っ張って、色々なことを俺にやらせて、全てが始まった。かけがえのない日常が始まった。

「今思えば本当に強引な奴だよな…」

俺は屋上の扉に手をかけた。鍵はかかっていなかった。普段なら入れないはずの場所。俺はためらいなくそこを開けて屋上に出た。




卒業式の日だった――。俺は、屋上に呼び出されていた。ハルヒに。話しがあると言われて。

「どうしたんだ?改まって、話しって?」

「…」

ハルヒは答えなかった。俺の目の前で、顔を伏せて、俺に表情が伺えないようにしていた。
その時の俺は何も考えていなかった。みんなと一緒に勉強して、みんなと一緒の大学に入れた。だから同じような日々がまだずっと続いていくだろうと思っていた。そう信じて疑わなかった。

「キョン…」

ハルヒは俺のニックネームを呼んだ。高校在学中に何度だってハルヒから呼ばれたその名を。そうやって、真剣な顔で、俺の目を真っ直ぐに見ている。笑顔やイラついた顔は見慣れていた。けれど、ハルヒの真剣な顔というのはあまり見たことが無かった。だから少しだけ、心臓の音が大きくなる。

「…どうしたんだ?」

「聞いて欲しい事があるの」


真剣な声。ハッキリとした口調。俺は黙ってハルヒの顔を見た。

「あたしはね、思い付いた事がすぐに言いたくなるの。ずっと胸にしまっておくとか、そんな事はさ、したくても出来ないから」

その言葉を聞きながら、俺はこれから起こることが半ば分かった。分かってしまった。
心臓の音がよりいっそう大きくなる。耳に聞こえる程。ハルヒに聞こえるんじゃないかと思える程。うるさかった。

「この三年間。楽しかったわ。みんなで色々なことをして、色々なところに行って、色々なものを見て。…それはさ、一緒にこの団を始めてくれた、アンタのおかげなんだと思ってる」

――違う。お前のお陰なんだ。全部お前が頑張ったからなんだよ。

そう言いたかったのに声が出なかった。出せなかった。俺はハルヒの目を見てただつっ立っていることしか出来ない。
吸い込まれたかのように、俺の目はハルヒの目を捉えて離せない。

「それであたしは気付いたの。自分の気持ちに。そして決めたの。一区切りつく、この時に、自分の気持ちを伝えようって」

止めてくれ――――。

言いたかった。言いたくても言えなかった。ハルヒがそれを言えば全てが変わってしまう。分かっていた。なのに、声帯を震わすことは適わない。何かが邪魔をしていた。止められないと感じていたのかもしれない。

「キョン。あたしはアンタが好き」

―――――耳を塞いでしまえば楽になれたかもしれない。聞かなかったことにすれば良かったのかもしれない。もう遅い。俺は聞いてしまった。
俺は、ハルヒの言葉に対するその答えを自分の心の中から必死に探した。どこかにあるはずの答えを。
―――――見つからなかった。俺がこの時点で望むもの。それは、みんなとの日常だった。これからも続くと信じた当たり前の日常だった。それが俺の答えを見えなくしている。
「誰かを好きになる」という感情を見えなくしている。だから何もかも分からない。
だから何も――――言葉を返せない。

「お…れは…」

掠れた声。やっと絞り出した言葉。それだけ。次に続く言葉は無い。

「あ…うん!そっか!…分かった。…ああ!もう!あたしも血迷ったことしちゃったわね。全く!」

その内にハルヒは言った。その表情は誰がどう見たって無理矢理浮かべた作り笑顔。ハルヒのそんな顔、見たくなかった。けれど俺がそうさせていた。

「…もう言えたから満足よ!変なこと言っちゃったわね。聞いてくれてありがとう。キョン」

そんな顔しないでくれよ。いつもの太陽みたいな笑顔を見せてくれよ――。

俺に言う資格の無い言葉。心の中で思っただけで、言の葉となって届くことはない。

「じゃあ…バイバイ」

そして、無理矢理な笑顔のままで。
悲しそうな笑顔のままで。ハルヒは俺の前から姿を消した――――。



それから、どこの誰に聞いても「涼宮ハルヒ」を誰も覚えていなかった。それどころか、SOS団メンバーも消え失せていた。先に大学で待っていた朝比奈さんでさえ。俺が自分を責めなかった日は無かった。それでもしばらくは、何があの時に出来たのかが分からなかった。
大学一年には脱け殻のような日々を過ごし、二年から心の何かを埋めたくて必死になった。社会人になって、一年が過ぎて、それでやっと――俺は自分の中の単純で簡単な気持ちを見付けた。
出張でたまたま海の近くに泊まることがあった。そこで思い出したのはいつかの無人島の海ではしゃぐ、アイツの笑顔だった。社員旅行で雪の降る地方の宿に泊まった。思い出したのは推理ゲームを面白がっていたアイツの笑顔だった。散歩に出ていて、満開の桜の木を見付けた。思い出したのは秋に咲いた桜に喜ぶアイツの笑顔だった。
うつろいゆく季節、過ぎ去っていく時間。その中で俺は、どこかにアイツの姿を、アイツのカケラを、ずっと探し続けていたんだ。
六年もかかった。ずっと遠回りをし続けていた。何かを埋めたくて必死だったのに埋まらない心の正体は、本当に単純で簡単なことだった。
屋上のフェンスを握り締めた。自然と力が強まっていく。自分の心を握り締めるように。

「ちくしょう…」

知らず口から漏れる言葉。俺に対しての言葉。
――俺は悔しかった。六年も経たないと気付けなかったことが。あの時、みんなとまだ楽しんでいたいという甘ったれた考えをしていたことが。自分の中の、何もかもが。今は春。あの時と同じように、春の桜が咲いている。
春の風が屋上に吹き付ける。それを感じながら、何故今になって気付いてしまったんだとまた自分を責める。
だが――――俺は何の為にここに来た?俺は何をしにここに来た?あの時に止まってしまったアイツと俺の時間を動かすためじゃないのか?
気付いてしまったのか?――違う。気付くことが出来たんじゃないのか!
その気持ちを埋めようとして、何かを必死にやったからこそ見えた答えがあるんじゃないのか!

「なら俺はどうすれば良い?もう伝えるアテの無い気持ちをどうすれば良い?時を再び動かすにはどうすれば良い?

――――そんなものは簡単なんだ。この場所で、今ここで、俺の想いを伝えれば良いんだ。

「そうだよな…」

決める。自分の意志を。大きく息を吸い込む。そして俺は言う。自分の気持ち。

「ハルヒィー!!」

空へ叫ぶ。何処までも届くように。誰に聞かれようと構わない。世界中に響けば良い。俺の気持ち。

「本当は…本当は…俺はお前のことがずっと好きだったんだ!」

あの時に見えなかった気持ち。自分で勝手に見えなくしていた気持ち。

「あの時は見えなかった!気付くまで六年もかかった!それでも…ずっと…ずっと…俺の中にお前が好きだという気持ちはあったんだ!」

単純で簡単な答え。何かを埋めようとして、一歩でも先に行こうとして、もがいて、悔やんで、苦しんで。その末に気付いた答え。
気付いた本当の自分。

「だから!お前の隣にいるその役目に俺がなっても良いって!そう少しでも思ってくれているなら!」

もう俺にはその資格がないのかもしれない。愛想を尽かされているのかもしれない。それでも、俺は――――

「俺の元へ戻って来てくれ!」

お前に会いたいんだ――――。
今はただそう思って、そう願って俺は俺の想いを叫んだ。

「はぁ…はぁ…」

息切れがする。体力全てを使いきった気がする。全力で、全てを懸けて叫んだ想い。今の俺を伝えるために。もう一度会いたいがために。過去をやり直したいとかじゃなくて、今の俺の気持ちと共に、これから先の未来へ進んでいくために。
その想いの行方は―――――。

「遅過ぎるわよ!バカキョン!」

決して叶わないなんてことはないんだ。必ず叶うと信じて叫べばそれで良いんだ。
懐かしい声が後ろから聞こえた。本当はずっと聞きたくてたまらなかった声がした。ゆっくりと振り向くと、そこにはやっぱり居てくれた。

「すまん…な」

「それで済むと思うの?」

「そうだよな…」

六年も経っているけれど、一度は離れ離れになってしまったけれど、それでも俺は俺でハルヒはハルヒで、変わっているようで変わっていない。
変わっていることと言ったら、ハルヒは少しだけ大人っぽくなっていることと、髪が伸びて、後ろでひとくくりにされていること。
予測に過ぎないが、きっとこの六年間という時間を、俺とは別々に過ごしたという風にして、ハルヒが作ったのだろう。六年間を一瞬で。

「悪かった…じゃすまされないのは分かってる」

「じゃあ、どうしてくれるのかしら?」

そう言ったハルヒの顔は笑顔だった。自信満々で、これから俺が言うことなど分かっているとでも言いたげに。だから俺はコイツが望んでいる言葉を。六年前じゃ言えなかった、言う資格の無かった言葉を伝える。

「これから…ずっとお前の隣にいる。お前がずっと笑っていられるようにする。絶対にお前を、ハルヒを幸せにすると誓う」

告白よりも強い言葉。空に叫んだ言葉よりも強い言葉。ハルヒを目の前にしなきゃ言えなかった言葉。
その言葉にハルヒは。

「約束だからね!」

そう笑顔で答えてくれた―――――。


人は誰でも後悔をする。その度に自分を責め、悔やみ、憎み。そしてがんじがらめになって動けなくなる。だけど、そこから抜け出したいと、バカみたいにもがいてみれば必ず何かが見えてくる。過去の自分に戻ってやり直すことなど出来はしない。どんなに願ったってそれは出来ない。しちゃいけない。だから、その見えた何かと共に進めば良い。それが見えるのがどんなに遅くたって、どんなに時間がかかったって、何かが見えたということはそれだけで価値があるんだ。

今回、俺の場合はそれを無意識に実行して、答えを見付けて、それにハルヒは答えてくれた。これで俺は、俺たちは前に進める。再び、俺たちは時を動かす。

「抱きしめても…良いか?」

「当たり前」

ぎゅっと、強く、ハルヒを抱き締める。触れることなど叶わなかった温もりが、今ここにある。

「キスして…良いか?

「もう離さないって言ってからね」

「もう離さない」

昔の夢でのキスは、あの灰色世界を終わらせるためのキス。
今度のキスは、俺たちの未来を始めるための、始まりのキス。





あとがき

改めて、やっぱり伝わりづらい部分けっこうあるなと思いました。もし何か感想があればどうぞ!
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thame:涼宮ハルヒss genre:小説・文学
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Comment

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キョン、6年も何やってたんだよ、俺が代わりに殴ってやる!
いい話ありがとうございました!
なんつーか、目から液体が……。
2008/03/04 Tue| URL | 911 [ edit ]
コメント返し
911さん>ありがとうございます!キョンがもし自分の気持ちに気付けなくて、ハルヒだけが気付いてしまったらとういうのがテーマでした。最後はハッピーでしたけど…理想は高校時代からバカップルであって欲しいです(笑)
2008/03/04 Tue| URL | koko428 [ edit ]
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