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ジョイント195

自分が思いついた文章を徒然なるままに書くブログです。二次創作系。がんばっていきます!
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淡雪
どうも!ここのところ忙しくて、パソコン触れなくてssをupできませんでした!すいません。とりあえず、今回は初めてのジャンル、キョン×長門です。少し実験作みたいな部分がありますが、とりあえずどうぞ!いつものように深く考えずによんでくださればありがたいです!


パラパラと、雪が振る。その雪はとても儚く、消えゆく運命と知りながらも振り続いていく。そんな雪が振る。頬に当たるそれらはとても冷たく、けれどもそれは一瞬で、固いアスファルトに落ちる雪はただただ落ちては溶けていく。
降って、落ちて、溶けて、消えて、また降って。
ずっとそれの繰り返し。俺はただただそれらを見ているだけ。体は冷たく冷えきって、けれどこの場所から一歩も動けない。動くことが出来ない。落ちては消えていくだけの儚い雪。消える運命を背負っただけのはかない雪。それらはまるでアイツを見ているようで。アイツそのもののようで。俺はいつかの公園のベンチに座ったまま、ただただ消えゆく雪にアイツを重ねて見ていた。
春に振る淡雪を。


淡雪


「私はもう…ダメ」

血だらけで、ボロボロで、もうどうしようもない体でそいつは言った。

「え…?」

俺はそれを受け入れられず、驚いた声しか出せなかった。

「ウソ…だよな」

ウソだと信じたかった。だってお前は今まで何だって乗り越えてきたじゃないか。どんなに深い傷を負ったって、何とかしてきたじゃないか。だから今回だって平気なはずだ。
そう俺は信じていた。

「…」

無言が、そいつにとって肯定のサインだった。俺の腕の中のそいつは驚くほど冷たくて、けれどどこか温もりを感じることが出来て、普通の女の子のように軽いその体で、悲しそうな目を、していた。

「な…んで?」

バカな俺。そんな時でも俺は信じられない。信じたくない。コイツの口からもうダメだなんて聞きたくない。コイツは俺を守るためにこんなになってしまったというのに。俺のために――俺のせいなのに。
「何故」だなんて聞くなんて。もっと言うべき言葉はいくらだってあるはずなのに。

「…ごめんなさい」

ああ――何で謝るんだよ。違うだろ。俺のせいでこうなったんだって、声を大にして言っていいんだ。俺なんかのために、自分は傷付いたんだって、言って良いんだよ。謝るのは俺の方なんだよ。

――――ポタ

そいつの頬にそれは落ちた。落ちてから初めて、自分の涙だと気付いた。俺は楽観視し過ぎていた。コイツが居れば全て大丈夫。そんな気持ち。今回だって、見ていられない程の傷を負っていた。けれど、前みたいに必ず無事だと、そう思い込んでいた。――――自分が許せなかった。
コイツはコイツの意志で俺を守ってくれた。なのに、俺はそれを見ているだけで、大丈夫だと決めつけて、見ていることしかしなかった。
あの十二月。コイツに頼りすぎないようにと誓ったのに、誓ったはずなのに。俺はずっと頼りきりで、最後の最期にならないと気付けなかった。そんな大馬鹿野郎だったんだ。

「うっ……くっ……」

ポタ――ポタ――ポタ――

溢れる涙が視界を滲ませる。そいつの顔に、水滴が落ちてゆく。たまらなくなって俺は――その小さな体を抱き締めた。

「ごめん…ごめ……んな。…長門…」

伝えたい言葉はもっとあった。
もうダメだなんてお前らしくないぜ。消えるなんてウソだよな。そうだよな。
消えないでくれ。いかないでくれ。このまま一緒にいてくれ。
今ある目の前のものを受け入れたくない、受け入れられない言葉たち。
今の現実を受け入れて、全てを受け入れた上で浮かんできた言葉たち。
その全てが虚構で塗り固められたもののように感じた。その全てが薄っぺらい紙に書いた幻想のように感じられた。
だから、「ごめん」という謝罪の言葉以外、何も出てきやしなかった。そして一分、一秒でも長く、段々に冷たくなっていってしまう長門の体温を感じていたかった。

「謝らないで欲しい…。これは私の意思だから…」

どこまでも優しいそいつに、俺は言うべき言葉を探す。何て言えば、今の俺を伝えられる?何と言えばコイツに対する俺の想いが伝えられる?果てない疑問。見つからない言葉。

「…今まで…あなたたちと過ごせて良かった」

語るそいつの表情は、ぼやけた視界のせいで分からない。

「色んなことを…教えてもらった」

少しずつ消えていく温もり。

「私に『感情』を教えてけれた」

けれど多分その表情は柔らかく。

「そして私は…あなたのことが…」

その声はとても優しく。

「大好き『だった』」

虚しく聞こえた。

「俺…だって…」

俺は願った。この涙が止まってくれることを。きつくきつく、けれど壊れないように抱いた長門の温もりが消えてしまう前に。きっと俺の言葉を待ってくれている少女のために。
そうだ―――。俺が探していた言葉など、単純そのもの。ただ一つ。たった一言。長門に伝えたかった。
なのに、止まらない涙がそれを邪魔する。まるで俺にはその資格などいと言っているかのように。

言わせてくれ――――。

どれだけ願ってもそれは言の葉にならず、なれず、心でその言葉を言ったところで伝えられず。――その時だった。
ふっ――と、頬に手がそえられる。その手は俺の涙をぬぐってくれていた。小さな手。

「ありがとう」

そしてその手は力なく、落ちていった。抱いていた温もりも、優しい心が秘められたその声も全て、消えてしまった――――。

「な…が…と…」

返事はなく、俺の腕にはただもの言わぬ長門の体だけ。どれだけ強く抱き締めても、その頬に手を添えても、その小さな手を握っても、何もかもが無駄だった。
たった一言。言えたはずの言葉。なのに言えなかった言葉。それを俺は言ってなかったのに。

「俺は…好きだ…。…長門のこと、お前のこと何より…好きだ…。過去形じゃなくて…好きなのに…!これからも…ずっと…好きでいられる…のに!」

何で今になって言葉たちは出てくるんだろう。何で肝心な時に出てきてくれなかったのだろう。何て、俺は無力な奴なんだろう。
冷たくなって、動かなくなってしまったその体。そして長門の顔を見る。そこには柔らかな表情。ただ寝ているだけのような、今にも目を覚ましそうな表情だった。せめてこの表情だけは覚えていたかった。

だけど――――。

サラ―――サラ――

嫌な音。嫌な予感。長門は消えかけていた。いつかの朝倉のように。

「ま…て」

止めてくれ。俺の祈り。決して届きはしない俺の願い。

「まってくれよ…」

消えゆく体。

「ふざけんなよ…」

何も出来ない俺。

「コイツを…どこにも…連れていくなよぉぉぉぉ!」

そして、俺を嘲笑うかのように、強い風が雪と共に舞って。
長門は消えた――――。

淡雪は、いつかの長門のように降っていく。最初から、いつかは消えていく運命を知っているかのように。多分、長門はあの時じゃなくてもいつか消えてしまっていたのかもしれない。一番強くて、一番危険な立ち位置にいたんだ。
ただ別れが早まっただけなのかもしれない。それらは所詮ifの話しに過ぎない。いくら語ろうとあの時、長門が消えてしまったことには変わりない。けれど――忘れちゃいけないのは、冬が来て、春が近付けば、淡雪はまた降っていく。消えゆく運命と知りつつも、絶対に積もってやろうと、何度も何度も諦めずに。
いつの間にか雪は止んでいた。雲のすき間からは太陽すら見える。

「やれやれ。変わりやすい天気だ」

そう独り言を呟いて、俺はベンチから立ち上がった。春はもうすぐそこまで来ている。暦は早い。いつしか雪は降らなくなって、また冬がくれば振り始めるだろう。何度だって、諦めずに。
そして俺は家路につく。見慣れた道を歩いていけば、すぐに我が家は見えてくる。そしてそこには、何度か冬が巡り、もう一度降ってきてくれた雪の中で再会した彼女が待ってくれている。決して諦めずに、何度だって積もってやろうとする淡雪は、やがてその身を水となし、川となし、大河となって永久に消えない何かへとその身を変える。俺は願う。今年の淡雪もまた、消えない何かになってくれるように。
見えてきた我が家。最近購入したばかりの一戸建て。彼女も嬉しそうな表情をしてくれていた。掴んだ幸せ。一度別れて、また巡り逢えて、もう二度と離さないと決めた。玄関を開ければ、彼女はいつだってそこで待っていてくれている。

「お帰りなさい」

「ただいま有希」




あとがき

長門が最後に消えてしまったらを考えて書きました。相変わらず、ストーリーの作りは甘いですが、自分としてはこんな感じに収まりました。いつか長編書いてみたいな…。ここまで読んでくれてありがとうございました!

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thame:涼宮ハルヒss genre:小説・文学
淡雪 | トラックバック(0) | コメント(4) |permalink
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Comment

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長門、悲しい最後って結構予想されてしまいますよね。
でもやっぱりハッピー・エンドがSOS団にはあうよなぁ。
2008/03/04 Tue| URL | 911 [ edit ]
コメント返し
911さん>毎度本当にありがとうございます!長門はやっぱり最後は悲しい感じになってしまう気がするんですよね…。立ち位置からも。でもこの二人が結ばれるとしたら、ラスト、ありがちですけどこんな感じに収まる気がしたんで、こういうのを書かせてもらいました!
2008/03/04 Tue| URL | koko428 [ edit ]
はじめまして。もしかしたら、原作の長門も最後にはこうなるのでしょうか?でも・・・僕的には、最終的にはハッピー・エンドになってほしいほしいです。
2008/03/05 Wed| URL | 長門は天使 [ edit ]
コメント返し
長門は天使さん>はじめまして!コメントありがとうございます!原作でも一度は消えてしまう気がするんですよね…。でも、なんだかんだで必ず帰ってくるでしょう!というか、キョン×長門の場合、キョンがどんな手段でも使いそうです。
2008/03/06 Thu| URL | koko428 [ edit ]
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